ABOUT

山形大学社会共創デジタル学環(略称:CID)は 人と共創し データに基づく価値創造で 地域社会をマネジメントする人材を育む新しい教育組織です

学際的思考力、デジタル利活用力、マネジメント力を総合して現実の課題解決に取り組む力、そして社会共創力を養います

人口減少や高齢化が進展する地域社会では、過疎化や産業の衰退など様々な地域課題に直面しています。そうした地域課題を解決していくには、課題を俯瞰して思考できる文系・理系の総合知を持ち、デジタルを利活用して課題を分析し、多様な人々と協働してその解決策を創造できる人材が必要です。

このような背景のもと本学環では、多様な人々と協働して地域課題の解決策を企画・実施できる「マネジメント力」とデジタルを利活用して的確に課題を分析し、新たな価値を創造できる「デジタル利活用力」、そして文系・理系の学問分野を横断する学際的な専門知識と論理的思考力(学際的思考力)を身に付けた、課題解決型の実践人材を育成します。

カリキュラムツリー

卒業認定・学位授与の方針

DIPLOMA POLICY

山形大学の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)のもと,社会共創デジタル学環では,基盤共通教育,学環及び既存の学部・学科の専門教育を通じて,以下のような知識・態度・能力を獲得した学生に「学士(社会共創学)」の学位を授与します。

豊かな人間性と社会性

  • (1)多様性を尊重して,異なる背景や能力をもつ人々と協働して社会を共に創ることができる
  • (2)良識ある市民として地域に貢献する意欲をもち,高い倫理観と責任感を伴った行動ができる
  • (3)自ら問題意識を持ち,主体的に学び続け,自身の有する能力を活かしながら諸課題に挑戦することができる

幅広い教養と汎用的技能

  • (1)文理を横断する幅広い教養と知識を身に付け,多角的な視点で思考することができる。
  • (2)他の学生や地域の人々と協働して地域課題の解決に取り組めるチーミング力・コミュニケーション力・リーダーシップ・フォロワーシップを身に付けている。
  • (3)情報機器の操作能力や情報セキュリティを含む管理能力に加えて効率的な情報発信を行うことができるデジタル利活用力を身に付けている。

専門分野の知識と技能

  • (1)人文社会科学,教育学,理学などの細分化された学問分野の専門知識を融合して,複雑な地域課題を俯瞰的に思考することができる。
  • (2)デジタルを利活用して地域の特性やニーズを捉え,地域社会における課題の発見や分析,解決のための企画立案を行うことができる。
  • (3)アントレプレナーシップやビジネスの視点を持ち,多様な人々と協働して地域における課題解決とイノベーション創出に挑戦できる。

求める人材像

PERSONALITY

  • 文理を横断する専門分野の知識と論理的思考力を身に付け、自身の有する能力を活かしながら様々な原因が複雑に絡み合う地域課題の解決に挑戦することができる人材

  • 異なる背景や能力をもつ多様な人々と協働して地域課題の解決に取組めるチーミング力とコミュニケーション力、及び課題に応じたリーダーシップやフォロワーシップを発揮することができる人材

  • アントレプレナーシップやビジネスの視点を持ち、デジタルを利活用して地域社会における課題の発見や分析、解決のための企画立案、新しい地域価値の創造に貢献できる人材

学環長メッセージ

MESSAGE

山形大学 社会共創デジタル学環長

渡邉 信晃

WATANABE Nobuaki
地域社会において実践的に行動することを通じて、知識だけではなく、解決に向けたプロセスを学ぶ

社会共創デジタル学環は、人文社会科学部、地域教育文化学部、理学部の3つ学部の連携によって設置された新しい組織です。これらの学部には歴史があり、それぞれの分野において地域に貢献するのと同時に、社会で活躍する多くの人材を輩出してきました。一方で、社会における諸問題の解決を考えた場合、単独の専門性で太刀打ちできるような問題は少なく、複数の専門性が力を合わせて課題解決に取り組んでいく必要があります。一人の人間が持つ力は限られますが、様々な知恵を持ち寄れば多くのことを解決できます。

社会共創デジタル学環には、様々な専門性を持つ教職員がいます。私達もまた、何かの課題を解決しようとした場合には、自身の専門知だけでは改善できない場面に何度も直面しています。そして、専門性の異なる人々と一緒に知恵を出し合う経験や、課題が生じている現場に近い人々の有する経験や実践による知が大きな頼りとなることを経験しています。

私達の学環では、学問としての学びにとどまらず、地域社会において実践的に行動することを通じて、知識だけではなく、解決に向けたプロセスを学んでいきます。課題に対する解決策そのものを身に付けるというよりは、どのような課題であっても、解決に向かって進んでいくことができる力を養います。これは、自身の持つ能力を発揮する力と他者の力を借りて協働・共創できる力です。これらを養い、課題を解決していくために、地域の様々な専門家の力も借りて教育・研究を行っていきます。その中心はもちろん、学環で学ぶ学生のみなさんです。この取り組みによって得られる成果は、直接課題解決につながることもあるでしょうし、将来また別の課題を解決することに寄与できる人材へと成長することでもあります。

社会共創デジタル学環は、ここに所属する学生のみなさんや教職員、そして地域の様々な人々と共に、大学と社会が一体となって地域や社会全体に向けた有為な人材の輩出と課題解決にチャレンジしていきます。

社会共創デジタル学環長

学習環境

ENVIRONMENT

学生の自主的な学びをサポートする学習環境を整備しています。

キャンパスマップを見る
共創ラボ
共創アトリエA
共創アトリエB

よくある質問

FAQ

学業や学生生活の全般について

A.

まずは、話しやすい教職員や窓口(なんでも相談コーナー、CID)に相談してみよう。メールや電話でも相談できます。

各種の申請書や証明書発行についても。

なんでも相談コーナー

TEL:023-628-4132

Mail:yu-nandemo@jm.kj.yamagata-u.ac.jp

窓口は、月曜日から金曜日(祝日を除く)の9時から17時までの時間帯で相談をお受けします。

CIDオフィス

TEL:023-628-4500/023-628-4505

Mail:yu-gasoumu@jm.kj.yamagata-u.ac

窓口は、月曜日から金曜日(祝日を除く)の9時から17時までの時間帯で相談をお受けします。

学内情報

各種申請、就職・キャリア支援、学費、学生生活に関わる情報

学内情報リンク

CIDの授業ついて

A.

「デジタル」という単語は、一般的には様々な場面で使われ、様々な意味で用いられています。

例えば、(1)デジタル=コンピューター技術やITツール(2)デジタル=データを活用すること(3)情報を離散的な値(飛び飛びの値)で表現する方法(4)デジタル技術を活用して業務プロセスやビジネスモデルを変革すること(DX)(5)デジタル=便利なもの・効率的なもの などでしょうか。一方で、digitalの語源は、ラテン語の「指(digitus)」を語源とする言葉で、数えるときの指を折る動作が由来と言われています。

なぜ、大学組織にデジタル?と感じられると思いますが、目まぐるしく変革する社会課題に対して、大学における確立された学際的な総合知と実社会の実務知と(共創)、日進月歩で進化するテクノロジーを柔軟に取り入れ(デジタル)、新しい社会へと導く教育研究組織として、社会共創デジタル学環と名付けました。

A.

CIDでは、学生が演習や研究を通じ、学際的な知識や解析・分析力を学ぶ意欲と意義(マインドセット)を自覚することを求めます。そして、その知識・思考力・解析力(スキルセット)は、主としてオンデマンド教材を活用して習得します。スキルセットの科目をオンデマンド化とすることで、学生の学習時間と空間の制約を緩和し、個々の学生のペースでの習得を実現するとともに、実践演習・研究の自由度・選択制を高めます。

A.

「人と共創」は、1年次の前後期に開講される必修科目です。社会は、人と人がつながり、生きる場を共に創り上げることで成り立っています。経済、公共政策、自然環境の保全——どの活動も、すべて「人」が「人」のために行うもの。社会は多様、多面、複雑、流動的だからこそ、お互いの気持ちを理解し、尊重し合うことが求められます。

この講義では、知識を詰め込むのではなく、さまざまな価値観や考え方に触れながら、「共に生きるとは何か?」を考え、自分ならではの視点を見つけていきます。他者との対話を通じて、より良い社会を創る意義を実感できるはずです。「人と共創」ー未来をともに築く第一歩を、ここから始めませんか?

A.

社会課題は、一つの視点だけでは捉えきれません。それは、多様な立場の人々が関わることで、それぞれの見方が異なるからです(多面的[Multifaceted])。また、どんなに優れたシステムや商品を導入しても、新たな課題が生まれ、社会のニーズは絶えず変化し続けます(流動的[Evolving])。さらに、社会課題そのものが曖昧で、明確に表現・理解できていないことも少なくありません(不鮮明[Blurry])。そして、一見すると単独の課題に見えても、実際には他の課題と密接に絡み合い、一つのアプローチでは解決が難しいことが多いのです(複合的[Interwoven])。こうした4つの特性を持つ社会課題を、**MEBI(メービ)**と呼びます。

これらのMEBIな社会課題を解決へと導くには、加速的に進化するAIやデジタル技術、日本の強みであるモノづくり産業など、先端テクノロジーを柔軟に取り込み、革新的な解決策を生み出すマインドが必要です。社会の変化を俯瞰的に捉え、デジタル技術やシステムの最先端トレンドを理解し、それらを組み合わせてソーシャルイノベーションを生み出す研究開発が求められます。

真に社会課題を解決へ導くには、従来の「理系・文系」といった枠組みにとらわれるのではなく、課題そのものを起点に情報を収集し、解決策を考え、必要な「人」と協力しながらチームを組み、社会をリードしていく力が不可欠です。社会共創とは、日本社会を導くために、多様な人々と協働し、日本の社会課題に必要な新たなシステムやモノを見出し、実現すること。これからの時代を切り拓くために、あなたも「社会共創」に挑戦しませんか?

A.

多様な知と共創する最先端の研究環境

CIDは、MEBIな社会課題の解決に向け、小白川キャンパスの多彩な専門分野の研究者が集い、協働する教育・研究組織です。ここでは、一見すると社会課題と関係のないように見える専門分野の研究者も、その独自の視点や論理的思考、感性を活かし、先駆的かつ独創的な研究・教育を展開します。これにより、従来の枠を超えた新しいアプローチで社会課題を解決へと導きます。

全国屈指の研究指導体制:マルチメンター制度

CIDでは、3年次から本格的な研究活動をスタートします。MEBIな社会課題は多面的かつ複合的なため、多角的なアプローチが不可欠です。そのため、「マルチメンター制度」を導入し、一人の指導教員だけでなく、主メンターと複数の副メンターが協力して研究指導を行います。副メンターには、大学教員に加え、自治体職員や企業の実務家教員(非常勤)も参画し、社会の最新動向や先端技術を取り入れながら研究をサポートします。さらに、自治体との教育・研究連携協定を締結し、より実践的かつ充実した研究指導体制を整えています。

オープンイノベーションラボ:共創のための最先端研究環境

CIDでは、オープンイノベーションラボ(共創ラボ)を設置し、従来の研究室単位ではなく、多様な人々が集い、地域課題について議論し、新たな価値を共創できる環境を整備しています。学生・研究者・自治体・企業が連携し、リアルな社会課題に向き合いながら、解決策を生み出していきます。最先端の研究環境と、多様な知を結集した教育・指導体制が整ったCIDで、あなたも未来を切り拓く研究に挑戦しませんか?

A.

はい本当です。データを活用し、実践的に経営を学ぶ「共創実践演習」があります。

この講義では、大学内に設置された専用のカフェスペースを活用し、実際にカフェを運営しながら経営を学びます。事業の立ち上げ、運営管理、収支決算を通じて、ビジネスの基本的な流れを実践的に理解することができます。

経営ができるようになるだけが目標ではなく、目標に向かって取り組むチーミングも習得します。

さらに経営だけでなく、本講義ではデータを活用した経営改善に重点を置いている点が特徴です。売上や顧客の動向をデータとして収集・分析し、それを基に経営戦略を考案します。共創デジタルソリューション科目で習得するデータ収集・解析のスキルを活かし、論理的な意思決定や経営の最適化に取り組みます。

本講義を通じて、経営の実践力とデータを活用する力の両方を身につけることができるため、将来的に起業を目指す方だけでなく、データを基にした経営戦略や意思決定に興味のある方にも適した内容となっています。カフェ経営を題材にしながら、ビジネスの現場で求められるスキルを総合的に学ぶことができる貴重な機会です。

A.

社会共創で社会をリードする人材を輩出する教育組織です。社会課題には、理系や文系の学問的な区別はないからです。そのため、特に共創実践演習や共創デジタルソリューション、共創亜ントレプレナーシップ科目は必修科目とし、文系・理系の区別なく、講義を行います。ただし、一人で全てを網羅するのではなく、共創専門科目において、「経済」「公共政策」「自然と科学」のいずれか一つを学びの軸に選びます。共創理論科目、共創実践科目は、CIDのために講義のコンセプトから新たに立ち上げた科目群です。高校で文系・理系のどちらを学ばれた方でも、知識や技術を習得できる講義設定としております。

CIDのカリキュラムは多彩です。自分の好きじゃない科目もあるでしょう。でも、自分には関係ないものとその時は思っていても、いつかどこかで繋がります。CIDで出会う人や知識、経験はいつかどこかで繋がると考え、何事にも一生懸命に取り組んでください。

キャリアについて

A.

人口減少に伴い変革する日本の地域において、地域社会の新しいビジョンを提案し、リードし、運営に関わる職業に就くことは素晴らしいと思います。CIDの学びでは、社会共創という手段を通して、またそれぞれの専門性を活かしながら、人口減少に伴い変革する地域社会を、新しい社会へと導く一つの方法を身につけることができます。CIDの教育の本質は、皆さんが持つ多彩で溢れる能力をさらに開花させること、そして、これまで気づかなかった自分の力や魅力を発見することにあります。CIDでの学びを通じて、たくさんの「人」と出会い、別れを経験しながら、「自分はどこで、何をしたいのか」「何ができるのか」を見つけてください。「好きこそものの上手なれです」社会共創の視点を通し、自分の好きなモノやコト(軸)を見つけてください。そうすれば、自分が満たされる仕事の在り方そして、卒業後に歩むそれぞれの人生が見えてくるでしょう。

地域社会を企画、運営する職業は素晴らしい。地域で新しいお店やビジネスを立ち上げるのも素晴らしい。自然の中で植物や動物と共に暮らすのも素晴らしい。親しい家族と近い距離で生活することも素晴らしい。一度、海外や都市に出て多様な経験を積み、その力を地域社会のために活かす道も素晴らしい。自分が真にやりたいことを見つけ、その目標に向かって一歩ずつ努力を重ねていけば、たとえ最初の目標にたどり着かなかったとしても、その過程で得たものすべてがあなたの財産になります。学生がそれぞれに描きたい職/人生を見つけ・描き、自らそれに向かって切磋琢磨しください。CIDの教育は、そのような挑戦を全力で応援します。

CIDの施設や備品の利用ついて

A.

はい、学内外どなたでも利用できます。ただし、授業や学内行事等を優先します。

学内の方は、CID事務室にて予約・利用申請してください。

学外の方は施設一時使用料(例:共創アトリエA 1時間3,300円)が必要です。

→利用可能な大学施設について

A.

学内の方は、私用以外であれば、利用できます。CID事務室にて予約・利用申請してください。ただし、本学学生の場合は、賠償責任保険に加入していない方は利用できません。